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山中の屋敷

私 たぶん男 10代後半
松〇
松〇の息子 2歳
松〇の側近数名
敵 数十名

松〇は地位のある侍だった。
この度、多額の金を受け取る代わり、●●を説得して手を引かせる任務を引き受けた。
その結果、●●は松〇の話を素直に受け入れたということだ。
あまりにことがうまく運び、同じ仕事を依頼されて失敗した者たちの恨みを買った松〇は身の危険を感じ、任務完了の翌日に息子を連れて逃亡する計画を立てた。
用意した馬と荷物は、今回受け取った多額の金でかなり嵩み、非常に目立つ姿であった。
松〇が逃亡するだろうと踏んでいた襲撃者たちは、彼が早朝、自分の屋敷を出て山道へ入るまであとをつけ、そこで襲い掛かった。
私は松〇の腕の立つのは知っていたが、敵は多すぎおそらく負けるだろうと予想していた。そうなれば息子だけでも助け出そうと、私と松〇の側近たちは距離を置いて同行していた。
松〇は果敢に戦ったが、数名の敵を倒したのち倒れ込んだ。
私は松〇の息子の手を引き走り出した。途中から背負って山を駆け上り、知り合いの屋敷へ逃げ込んだ。

屋敷の廊下のつきあたりには大きな配管があって、斜め上に傾けられたその先はつねに火が焚かれていた。暖房設備のようだ。
子供は特に近づいてはいけないと日ごろ厳しく言われている場所だ。
私は迷わずそこへ松〇の息子と入った。
子供は「入ってはいけないんだよ」と言ってぐずった。私は「今日だけはいいんだよ。おゆるしをもらっているよ」と宥め、先に子供を入れた。
配管は入口と中間部と奥の火が燃え盛る部分と三つに分かれていた。私と松〇の息子は中間部に身を潜めたが、配管の上半分が透明になっており、外から隠れていることがわからないようにするためには体を横たえる必要があった。私と子供は仰向けに寝そべった。配管は狭く短く、膝を立てないように寝そべるのはかなり苦しい体制だった。
追手が配管を調べようと入口に入ってきたのが分かった。私は松〇の息子が見つかるのを悟り、彼を奥の炎が燃え盛る部分に押し込んだ。
幼い子供はしばらくは耐えたが、すぐに熱いと泣きだしたので、私は彼を再び中間部へひき出した。
追手Aは私が足でふさいでいた入口から中間部の穴をみつけ、私と子供を見つけた。
その時。
松〇の息子は追手に微笑みかけた。
追手Aは気の抜けたような表情で、「・・・ここには誰もいない」と仲間に告げ、配管から離れていった。
追手Aの他にも配管の周りには数名待機していたが、皆その言葉を聞いて配管から遠ざかっていった。

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